私の体験談

My story of the experiences

~どん底の私はどうなったか~

ここでは、私の体験をお話しています。

体験は人それぞれですし、みなさんの体験とは違うかもしれませんが、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しいです。

 

まずははじめに、もっともお伝えしたいことを6つあげます。

 

~ 体験から感じた特にみなさんにお伝えしたいこと ~

・「耳鳴り」や「耳の閉塞感(耳に栓をした感じ)」が続いたらすぐに耳鼻科へ

・「突発性難聴」の疑いがあればすぐに投薬治療を!(遅れると回復しない恐れあり)

・耳鼻科以外の療法では鍼灸治療がおすすめ!(できることはやってみる)

・ひどいめまいが続く場合は「メニエール病」検査と治療を本格的に!(正確な対処をしよう)

・補聴器によって人生は変わる!(補聴器は機能と技能士によって快適さが全然違う)

・「難聴」は一人で抱え込まない、協力してくれる方はたくさんいる!

 

 

 

~ 初めての突発性難聴はストレスが原因だった ~

私が初めて発症したのは33歳、それまで耳に関する病気は全くありませんでした。

当時、勤務先で転勤となり、住まいも福岡から東京へ転居、とても忙しく朝8時くらいから夜21時過ぎまで働くことが続き、社内調整をする部署だったためいろんな部署の責任者の方から難しい要求をされ、罵声を浴びることも多々ありました。

毎日がとてもきつかったことを覚えています。

3ヶ月ほど経ったあたりから「耳鳴り」「耳の閉塞感(耳に栓をした感じ)」がするようになり、少しフワっとした軽いめまいらしきものを時々感じるようになりました。

振り返ると、これは「突発性難聴のサイン」ですが、当時は無知で何も気づきませんでした。

 

そしてある日、朝の通勤電車でひどいめまいに襲われ倒れてしまい、救急車でそのまま救急病院へ運ばれたのです。

いろいろな検査をしましたが「耳鳴り」症状もあったので聴力検査も行いました。

すると、医師からは「右耳は聞こえていないでしょ。聴力がほとんどないよ。」と一言。

左耳は普通に聞こえていたため右耳がそこまで悪いとは気づかず、その時に初めて知りました。

病名は「ストレス性突発性難聴」。

めまいが起こっていたため「メニエール病」という難聴とめまいを併発する病気の検査を同時に行い、「メニエール病」かもしれないとも言われました。

そのあと、約一週間の入院後に退院となりました。

 

 

~ その日からの約20年、生き方は大きく変わりました ~

― ドン底な日々が続く! 次々ときた難聴とめまい ―

私は会社員で、突発性難聴を発症してからもずっと同じ会社で働いています。

その間に数回の転居転勤をしながら、いくつかの部署で働いてきました。

のちに私の聴力はだんだん低下していくのですが、聞こえが悪いために打ち合わせでは聞き返すことがしばしば、飲み会も会話がおっくうで不参加が増え、つきあいが悪くなっていきます。

仕事でも、上司のなかには「仕事は頑張ってくれてるけど、耳が悪くて話がしにくいから合計するとマイナスだな」なんて言う方もいたり、悔しい思いをしたことは1度や2度ではありません。

大の大人でもやっぱり悔し涙ってあるんだって感じたことを覚えてます。

 

さて、私の難聴の病歴ですが、初めて「突発性難聴」を発症してから、その後にも複数回の「突発性難聴」を発症していますので、どんな感じだったかお話しますね。

 

・初回の発症後、聴力は若干の低下を残すがほぼ回復。

ただし、めまいが継続して起こり、病名は「メニエール病」とも診断される。

・約2年後、再度、前回と同じ右耳の「突発性難聴」を発症。

即時投薬を行うが、右耳の聴力は戻らず約60dbまで低下。

・約3年後、今度は左耳に「突発性難聴」を発症。

即時投薬を行い、左耳は若干の低下まで回復。

・約2年後、再度、左耳に「突発性難聴」を発症。

即時投薬を行うが、左耳の聴力は戻らず約70dbまで低下。

・以後約13年間は聴力に一度の大きな変動はなく徐々に低下し全体で約10db低下。

 

途中、まだ聴力がそれほど低下していない頃に「メニエール病」適応手術を2回受けますが、担当の某医大教授から、「将来に聴力はもっと低下するから補聴器の準備をしておいた方がいい。いまの医学では予防的な治療はない。」とアドバイスを受けていましたが、まさにその通りになりました。

ちなみに、この言葉を聞いたときの私の恐怖心はMAXでしたね。

 

両耳がだいたい50db以下になったときに、人の話しが聞き取りできなくなりましたので、この時に初めて補聴器を片耳にだけ装着し始めました。

その後、補聴器は両耳に装着し、両耳ともに数回買い替えしています。

 

最後の突発性難聴から現在まで、聴力は時々多少低下することがありますが、両耳聴力ともに大きな変動なく維持を続けています。

「メニエール病」は、だいたい2年に1回の頻度で強いめまいがしばらくの期間続く感じを繰り返しています。

 

こんな感じで、初めて突発性難聴を発症してから数年間はとにかくへこみ続ける毎日、自分のなかで一人で苦しむ状態が続いていました。

 

 

― 楽しみは自分次第! 治療・投薬・補聴器を探求する ―

 聴力低下への恐怖とめまいに苦しんでいた私ですが、数年後にやっと自分の病気を受け入れることができてきました。そこからは、それまでと反対で、効果のある治療や薬、快適な補聴器、生活の質をあげるための工夫、いろいろな新しいものや新しいことにチャレンジしながら楽しんでいる感じです。

では、ぜひお伝えしたいことを3つに分けてお話しますね。

 

◆難聴を維持・改善する

私は突発性難聴とメニエール病の2つの診断を受けており、聴力は日々若干の変動をします。

経験から言えば、軽くでも飲酒をした翌日はだいたい聞こえが悪くなります。また、睡眠不足や首肩が凝っている日も聞こえが悪い日が多いですね。やはり、体力が落ちたり、血流が悪くなったりしたときに聴力は落ちていると感じます。

これに対して私がおこなっている対策は「鍼灸療法」。

鍼灸では体の機能バランスを整える効果があると言われており、何よりも耳に効くツボというものがあります。実際に耳に効くというツボを集中治療した後は大小さまざまですが総じて聞こえがよくなります。めまいについても、機能バランスのなかで特に自律神経を調整するツボへの治療をした後はすっきりした感じがあり、めまいの制御に繋がっていると感じます。

鍼灸は抵抗がある方もおられるかと思いますが、私は7年くらい週1回ペースで体調管理の鍼灸治療を受けておりまして、聴力が低下したら耳ツボの集中治療をし、めまいがでそうな違和感を感じたら自律神経を整えてもらいます。

私的にはおすすめの療法です。

もしご興味があればみなさんもお試しいただけばと思います。

ちなみに、突発性難聴を専門としている鍼灸院もありますよ。

「鍼灸治療のすすめ」ページで詳しくお話ししていますので、ご興味があれば見てみてください。

鍼灸治療のすすめ

 

◆補聴器での快適な会話で生活の質をあげる

難聴で聴力が固定化すると、若干変動することはあってもベースとなる聞こえのラインはほとんど変わりません。そうなるとどうしても補聴器が必要になります。

「人に知られたくない・・・」「補聴器はカッコ悪い・・・」そんな方もおられるかと思います。

私もそうでしたし、実際に数年間は片方しか装着していませんでした。

ただし、聞こえない、聞き取れないままでは生活に不便ですし、私は仕事でも失敗したことがありますので補聴器は装着することをおすすめします。

そう考えた日から、私はいろんな補聴器取扱店さんに行って、いろんなメーカーやタイプの補聴器を試用し、自分にピッタリの補聴器を探し続けました。

そして、いまは遂に見つけました!快適な補聴器!

私は10年以上かかりましたが、延べ100回以上は補聴器の試用や調整をしてきました。

 

まずは、そこで経験した留意すべき点をお話しますので、意識していただければ幸いです。

補聴器は、メーカー、タイプ、値段(=性能)、でも聞こえは違いますが、一番聞こえに影響するのは補聴器を調整していただく技能士の技術です。さらにプラスすると、何回も調整を繰り返しても嫌な顔をせずいつも笑顔で対応してくれる担当者さん、そして取扱店さんの姿勢が最も重要です。

しかし、残念ながらすべてがよい取扱店ではありませんでした。補聴器は片耳だけでも性能がよいものは50万円くらいします。このため、性能だけを強調し、高額な補聴器を売ることが目的になっている補聴器取扱店も実際にありますので十分に注意してください。

裏を返すと、よい性能の補聴器とよい技能士、取扱店に出会えば難聴を忘れるくらい快適な生活を送ることができますので安心してくださいね。

 

自分に合う補聴器を探す大切さをお話しましたが、みなさんにはそんな時間はないと思いますので、私の体験からですが、感想を踏まえたポイントを別ページに記載してみました。

補聴器については「補聴器の選び方」で詳しく記載していますのでご興味があれば見てみてください。

 

最後になりましたが、補聴器はメガネと一緒と思ってくださいね。

補聴器を装着していると自分ではとても気になりますが周りはそれほど気にしてませんよ。

むしろ、気づいた人は近くで話したり大きな声で話したり協力してくれます。

何も気にせず補聴器は堂々と装着しましょう!

 

◆メニエール病

まず、必須なのがメニエール病であることを診断基準で明確にすることです。

耳鼻科では専門的な検査を行ってもらえるのに、耳鼻科以外ではほとんど検査もなくメニエールだと言われることが数回ありました。

ですので、必ず耳鼻科へ行ってください。

私が「内リンパ嚢開放術」という手術に至ったのは、いつくかの確定診断検査を経て、さらに原因である内耳のリンパ液貯留を改善するイソバイドという薬をしばらく服用したあとです。

私の感覚ですが、最低限このステップを踏まなければ手術というステップにはなかなかならないのでは思います。

私はイソバイドを数か月間服用しましたがめまいの改善がなかったため手術を行いましたが、投薬で改善するに越したことはないですから、あわてずしっかりと進めてくださいね。

ポイントは、内耳のリンパ液貯留という診断を得なければこの投薬もありえない可能性があることです。繰り返しますが、難聴でなくとも耳鳴りや耳の閉塞感を感じている状態でのめまいはぜひ耳鼻科へ行ってください。

 

もうひとつ重要だと思うことがあります。

医師とは、治療をする際の理由と投薬の目的をしっかり共有してください。

私は、医師から処方されためまいの対処薬だけをなんとなく飲み続け、根本原因の治療が遅れた経験があります。それは大失敗でした。

ですので、みなさんはしっかりと医師に状況を聞いてください。

そして、自分からも提案をしてください。

医師もさまざまです。任せるだけでなく、自分で自分の状態をセルフチェックしながら医師と相談し、治療を行えば、効率的な治療に繋がるかと思います。ぜひやってみてくださいね。

 

 

~ いまの私は前向きです、みなさんありがとう ~

某医大教授のあの一言。

「将来に聴力はもっと低下するから補聴器の準備をしておいた方がいい。いまの医学では予防的な治療はない。」

思い返せば、この言葉から始まり、私は、現在までに数十ヶ所の耳鼻科、内科、脳神経外科、鍼灸院、漢方薬局で診断を受け、通院を行い、多くの補聴器取扱店さんとお話しし、多くの補聴器を試しました。

 

あれから約20年間、いまも聴力の低下とめまいとの共存は続いています。

聴力はこの数年で徐々に低下し、現在は両耳ともに60~80dbくらいです。

 

それでも、私はそれなりに毎日楽しく過ごせています。

一番の理由は、家族が私のことを理解してくれていること、そして、周りのみなさんが協力していただけることです。

最初は耳が悪いことを知られるのが嫌で、隠したいとずっと思っていました。

めまいも、周りに迷惑をかけるのが嫌で、倒れる寸前まで我慢し、倒れても家族には黙っていたりしたこともありました。

でも、いまは違います。

カミングアウトとでも言いますか自分の状況を伝えると、周りの人が協力してくれるんです。

甘えてはいけないのですが、理解をしてもらえるとすべてが違います。

例えば、聞き取りにくい会話でも、以前は聞こえが悪いことをお伝えせず、「すいません。もう一度お願いします。」と控えめに伝え、嫌な顔もたくさんされましたが、いまは、「耳が悪いのですいません。」と先にお伝えしています。そうするだけで、相手も「オッケー、大きくね!」とニコニコと話を続けてもらえます。

めまいも同じです。我慢せず伝えることで休養をすすめていただけたり、スケジュール調整してもらえたり、全然違うんです。

もちろん全員ではありませんが、確実にすべてが違います。自分の行動も変わります。

 

みなさんに一番お伝えしたいのは「抱え込まないこと!」

自分次第で楽しくできるんですよ。

みなさんが少しでも幸せUPすることを心から願っています。

 

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